「手」の国、日本

私たちの工場は、お客様と話し合いながらどこにもない誰も作った事のない精密機器や実験機器を手づくりで研究開発をしています。蒲田にある多くの工場は熟練の職人達の手仕事に、世界が高い評価をしています。まさに、日本は”手の国”だと思っています。

土と炎の詩人で陶芸家の河井憲次郎は、陶芸を「手考足思」、「手念足願」、「手護足解」と表現しています。「上手」、「下手」は手の技を語り、「手本」、「手柄を立てる」は手を褒め、「手腕」は力量、「腕利・腕前」も手から生まれた言葉です。手が機械と異なるのは、いつも心とつながっていてものを創らせ、高め働きに悦びを与えていることです。手が働かなくなると「手詰り、手遅れ」となり、結果は「手ぬかり、手落」と厳しい表現になります。この手の仕事の力が衰えたら日本人は特色の乏しい国になるのではないでしょうか。いつも、我が手を見ながら改めて「手」に感謝しています。