科学と技術の協働

米デュークス大学教授ヘンリー・ペトロスキー著「エンジニアリングの真髄」(安原和貝訳・筑摩書房刊)を東京大学教授・佐倉統先生が書評を書かれていました。「科学は、自然の謎を解明する”知る”活動だ。対する技術(エンジアリング)は、何らかの問題を解決する営み。そのための便利な道具や解法を”作る”ことである。環境問題やエネルギー問題など、現代の難問を打破するためには、しばしば”科学的方法”が重要とされるが、大事なのは現実解を見つけるエンジニアリング的発想と方法である」と、科学と技術の違いについて紹介されています。

科学が上位で技術は格下と思われてばかりとか、基礎研究から応用研究と直線的に進むものではないとも論じています。本書の副題は”なぜ科学だけでは地球規模の危機を解決できないのか”とあるように、私たちの小さな商品開発も常に科学を技術で裏打ちし、技術を科学で実証する作業の連続で、示唆に富んだ指摘だと思っています。