「必要は発明の母」を!

機械製造業は油仕事が多く、職場には石鹸、洗剤が欠かせません。特に肌の汚れを落す洗剤には気をつかいます。中小企業の多い大田・羽田地区の活性化を図るために2007年“大田ブランド”の拡大を考え“必要は発明の母”ではありませんが、「ハネダクオリオ」と命名した“石鹸”を発売し、大田ブランドの宣伝に貢献しました。
石鹸の発明は古く、紀元前3000年古代ローマ時代のサポー(sapo)という丘の神殿で羊を焼いて神に供えていたとき木の灰に羊の脂が混ざり汚れを落す石鹸が出来、その丘の名前を付けてソープと呼んだそうです。メソポタミア図書館の粘土板にはくさび形文字で石鹸の製法が記してあるそうです。また、ヨハン・ベックマンの「西洋事物起原」にも山羊の脂肪とブナの木の灰から作った石鹸が最良で、ドイツ語のsepeから命名ともあります。日本では1890年(明治23年)、花王石鹸が発売したとあります。「必要は発明の母」ですね。

UFO研究が始まる時代

1938年10月30日アメリカ、ニュージャージー州で「火星人が襲来した!」という臨時ニュースが流れ市民がパニックになった事件がありました。イギリスの作家H.G.ウェルズの「宇宙戦争」のドラマの演出でしたが、ラジオの臨時ニュースがリアルで地球襲来と大騒ぎとなりドラマの結末は円盤から出て来た火星人が地球のウイルスに感染して死ぬという現在のコロナパンデミックの逆騒動でした。
現代の科学でもウイルスを克服するのには時間がかかりますが、作家ウェルズが予測していたのですね。2010年アメリカの探査機キュリオシティが火星に着陸し火星人騒動は物語で終わりましたが、現代の科学は新たに“未確認飛行物体”UFOの研究に本格的に取り組みはじめたと報じています。科学は未来なるものへの挑戦です。
“アフターコロナ”の時代がどのように変革するのか、世界の知恵は常に日進月歩で進化しますね。

なんの役にも立たない研究

当社の古川工場のある岐阜県飛騨市の東京大学宇宙線研究所は「ニュートリノ」の発見、研究で世界のトップを走っています。
素粒子のニュートリノ研究で2002年に小柴昌俊博士、2015年には梶田隆章博士がノーベル物理学賞の対象となった宇宙の果ての情報を届けてくれる素粒子ニュートリノを観測しています。
「何の役にも立たない研究」と今はいわれますが、100年後には様々の宇宙の謎が明かされる研究なのです。この宇宙から来る素粒子が人間の体を突き抜ける時には全く何の影響も与えませんし、太陽の核ではたくさんのニュートリノが生まれ出ている謎も解明されていません。しかし“役に立たない”といわれても“人類の知の地平線を拡げる”ことだけは確かです。こうした科学の研究こそ「日進月歩」の時間なのです。
創業50年も当社にとっての一里塚です。

研究開発の “宝探し”

IotやAIの急速な進化とともに科学技術の世界は従来の研究者に加え新しい異分野の人材が求められています。

夏には「扇風機」が身近な家電で、ネーミング通り羽で起こす風が商品でしたが、ダイソン社の羽のない扇風機が登場してイメージが一新しましたし、掃除機もお掃除ロボが登場して“掃除は自分でしない”作業に変身しました。研究開発の世界にデザイナーが参加して技術の将来像を形にしてみせるプロトタイプの製作者が新たな価値創造を生み出しています。また、シオカラトンボの背中にある紫外線を反射させる成分から油に近いワックスのようなものを発見し“日焼け止め”を研究したり、蚊の嗅覚器からセンサーを開発し、人の汗のにおいから感情を読み取りと幅広い研究が進められています。研究開発に異分野の研究者とタッグして“宝探し”をするトレジャーハンティング人材が参加しています。創業50周年、次のアフターコロナに挑戦します。

「アフターコロナ」の新時代に向けて

“戦う天使”と呼ばれた看護婦(師)ナイチンゲール生誕200年の今年、コロナ戦争で世界の医療従事者に感謝の輪が広がっています。
ナイチンゲールはクリミア戦争に看護師団のリーダーとして活躍しましたが、兵士の多くが戦闘ではなく感染症で命を落としたことを統計で示したり、今のナースコールを発案したりしていますが、不思議な縁を感じます。コロナ感染は終息とはいきませんが、今世界は“アフターコロナ”の新しい秩序に向けて動き始めています。医療技術や先端医科学、デジタルシフト社会の在り方、経済やビジネスの仕組み、新しいソーシャルシフトの変化に合わせた体制づくりが求められています。当社も創業50年の技術を活かし次の新しい時代の発展に向かって挑戦してまいります。医療、介護支援分野を含め社会の変化へ対応した“コト価値づくり”の技術革新を目指してまいります。羽田、蒲田という地域文化を大切にした歩みを進めます。

危機を乗り越える“日進月歩”の精神で

当社はこの5月で創業50周年を迎えますが、この区切りの年にリーマンショック以上の世界的なパンデミックに遭遇したことに緊張を感じます。感染症という新たな危機を乗り越えた後の世界経済は大きな変化と新しい常識が必要となることは間違いありません。
当社のビルに創業者が試作した小さな音の静かな風力発電機が飾られています。次世代の再生可能エネルギーの主力電源となる風力発電ですが、いま洋上風力発電として動き出しています。一つは秋田県沿岸で国内最大の計画で、もう一つは富山県の小さな入善町の湾内で日本海から吹き寄せる風を活用した日本初の民間出資の洋上風力発電計画です。沖合800m、推進15mに風車を4基、出力7.500キロワットですが、地域の海洋資源、観光資源として住民の期待が広がっているそうです。
私たちも地域のまちと一緒になって再生可能エネルギーに挑戦するような大きな夢に向かって次の50年に歩みを進めてまいります。

デジタルシフト社会の技術連携

新型コロナウイルスの拡散で緊急時の対応としてデジタルシフト社会の整備が急がれていますが、AIやIoTを活用した領域でもコンソーシアムの流れが加速しています。
視覚障害のある人が一人で自由に街を歩けるようにしようと“移動支援ロボット”を共同開発しようと研究が進められています。
IBMがAI技術を担当しオムロンが画像認識センサー技術、アルプスアルパインが触覚技術、清水建設が測位ナビゲーション技術、三菱自動車が自動車の技術を5社で提供し、3年間で実用化に向けスタートしました。
従来の杖に換わりキャリーバッグ型のケースに様々なセンサーや知能を搭載し安全に移動できる案内ロボットを目指しています。
今やビジネスの出張や旅に欠かせないキャリーバッグですが同様に目の不自由な人の移動支援ロボとして誕生します。企業の得意技術と連携したコンソーシアム型技術開発がデジタルシフト社会の一翼を担うでしょう。

シマウマのローテク縞模様に学ぶ

“シマウマの縞は何のためにあるのか”そんな論争が長年続いていましたが、英国ブリストル大学の研究チームが結論を発表しました。「シマウマの縞模様は、虫に刺されなくする目くらましの役割をしているのではないか」という結論です。日本では古くから草木染の衣服には蚊や虫に刺されないと言われていますが、シマウマは進化の過程で生み出したワザなのでしょうか。
研究室の実験は、普通の馬たちに黒、白、縞模様の3種類のコートを着せアブの動きを観察した結果、縞模様の馬にはアブの止まる回数が圧倒的に少なかったのだそうです。
シマウマや牛、馬たちに病気を運ぶ虫たちの“目くらまし”の模様だとは、なんともローテクなワザに思えるのですが、科学技術の発展にもこうしたローテクな技術も大切なのではと思うニュースでした。“弱いロボット”の開発も(30年1月号)、シマウマの縞模様に学ぶ視点ではないでしょうか。

踏み出す勇気の“科学技術”

私たちの技術開発には「少しの変化」が社会の「大きな変化」につながるという視点があります。IoT(モノのインターネット接続)、AI(人工知能)が科学技術の進展に飛躍的な役割を担っています。高齢化が進むなか、歩けない高齢者や障がい者に車いすが欠かせませんが、一方で500メートルを超えて歩くことが困難な65歳以上のお年寄りが1千万人以上いるとされ、家にこもりがちな方々を外に出し生活の前向きな参加を支援する「生活電動車椅子」の開発が進んでいます。羽田空港でこの車いすの実証実験が行われ、利用者が下りた後、自動運転技術を搭載した車いすが勝手に所定の位置に戻る技術が大変話題になりました。
これまでのバリアフリーは“マイナスからゼロ”に近づける発想でしたが、これからは“ゼロからプラス”に持っていく技術が求められる時代です。
新たな科学技術との共生社会へ“踏み出す勇気”を培ってまいります。

農業に進出するロボットたち

日本の農業人口が昭和25年をピークに減少しています。平成12年389万人でしたが、平成30年では175万人と半減しています。農業は休みのない重労働で後継者も減り人手不足に加えて高齢化が進み、機械化も遅れ農業を取り巻く環境が厳しいのが現実です。こうしたきつい労働を救うために「自動野菜収穫ロボット」が話題です。身をかがめながらの仕事が多い農作業は足腰に負担がかかりますが、全長1mほどのコンパクトなロボットで自走しながら収穫適期の野菜を見極め、成長が一律でない野菜を選別して繊細な動きで摘み取りカゴに入れるという優れもので、AI(人工知能)を搭載したロボットです。
IoT商品はともすると高価になりますが、必要な物に必要な時間だけ借りるリース制度で運用され、農家にとっては有難いサービス制度です。IoT化はこうした社会的に価値のあるシステムで定着していくよう努力してまいる所存です。