AIが欠如する”身体的感性”

「AIで作った俳句は採用しません」と言う記事を読み、どうやって判断するのかと不思議に思いました。確かにAIで俳句は上手に作ることは出来るのでしょうが、それは作品の上手、下手ではなく作ったヒトの身体的な感性や選者の感性が選ぶことなのです。

“柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺”有名な正岡子規の句ですがAIで作れば簡単な句かもしれませんが子規は病弱で夏目漱石の下宿に50日程滞在し奈良に入る前日に詠んだ句です。見えない風景を体身から発する感性です。

身体を持たないAIには詠めない俳句です。梅干を見て酢っぱくなるのが身体の感性です。

科学技術はITやAIの技術とヒトの身体的感性の二人三脚で創られる技でなくてはならないと思っています。便利さを追及するのではなく、ヒトがいかに寄り添って技を研くかがこれからの研究開発の大切な視点だと考えています。

未来のノーベル賞を目指す「科学甲子園」

創業者・渡辺の出身地は岐阜県飛騨市ですが富山市から飛騨市、高山市の昔のサバ街道は今”ノーベル街道”と呼ばれています。

日本のノーベル賞受賞者28名の内、5名が富山から飛騨での化学・物理学・生物学・医学の研究領域での受賞者だからです。我が社の飛騨工場もこんな環境での精密機器の製造に取り組んでいますが、国の基礎研究の環境が減少し科学技術の未来が心配されています。

科学振興機構(JST)では2011年から”科学の甲子園”と称して高校生たちの科学に夢中する大会が開かれています。

今年で12回目を迎へた科学の甲子園は全国から668校、7870人が参加して、女子校も参加し理科、数学、情報の応用問題を解く筆記実技と実験や観察を行う実技試験に挑みました。国や企業が科学技術の視野を広げて基礎研究に取り組むことが豊かな暮らしへのスタートだと思っています。女性のノーベル賞受賞者は全体の5%で、日本は残念ながらゼロです。

“担い手不足”を救う科学技術

急速に進む少子高齢化社会で”人口減”が企業にとって大きな課題となっています。

世界が経験したことのないコロナ禍を機に、新しい社会のインフラの維持修繕、更新、多様化する災害への対応、ITと縁遠いイメージだった食品や運輸、流通やサービス業、高齢化社会に対応した介護や医療の”担い手”不足が深刻になっています。

製造業も担い手不足は同じで、労働生産性を自動化するためにロボットの活用が必要となっています。人間の横でAIロボットが一緒に実験したり、”きつい、汚い、危険”の3K現場で人間に変って働くロボットの活用が広がっています。

これからの人材は、付加価値の高い仕事に専念し技術力を高めることが求められます。

“人口減”を救う担い手としてロボットの領域は無限です。我が社もIT、AIを活用した創造性の高い技術力に挑戦しています。

科学技術の未来を”見える化”する万博

1970年、岡本太郎の太陽の塔に象徴された大阪万博が55年後の2025年4月に大阪で開催されます。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、社会課題を解決するような新しい技術やサービスを実用化し”そこにしかない”未来技術を先取りしてくれるそうです。

先の万博で人気の「人間洗濯機」は、自動でお湯を張り超音波で体を洗うお風呂がまだ銭湯通いの時代でしたが今や日常です。今度の万博の「未来人間洗濯機」は浴槽に座わるとセンサーが自脈動をとりストレスの度合いを測り、ストレスを和らげるための水流に揺らぎをつけたり、映像や音を流し体を洗うだけでなく”心を洗う”がテーマです。

目玉は「空飛ぶ車」で、人を乗せて不便な山間地や都市部の渋滞を自由に飛び、災害時の緊急輸送など夢の空飛ぶ車です。科学は常に日進月歩ですがマンガが一歩先に科学技術の見える化を描き、万博がその実現化を更に近づけてくれそうです。

科学技術を支える子どもたち!

小中学生の科学を育てる理科、数学の学力は国際教育到達度評価学会の調査では日本は世界で5位以内にランクされているそうです。

2011年から始まった科学技術振興機構主催の高校生を対象にした「科学の甲子園」は今年12回を迎え全国668校、7870人の高校生が参加し予選を勝ち抜いた都道府県代表の47校、370人が集まって1チーム6~8人で理科、数学、情報の応用問題を解く「筆記競技」と実験と観察を行う「実技競技」に挑む大会が行われました。

大会の目的は科学好きの裾野を広げ、IT、AI時代の人材育成を目指した支援です。
実技競技では教室では出来ない自作の小型車を定められたコースを各チームが地磁気や超音波などを利用するセンサーやプログラムを組み、仲間と協力して知識や能力を発揮するステージです。

子供の頃から科学の芽を育てる環境づくりを企画も応援してまいります。

科学技術の夢を描くSFアニメやマンガ

松本零士のSFアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の宇宙船内の細密な計器類や洗練されたデザインは充分に未来を予感させる姿で、子供も大人も宇宙へのロマンや船員の心の交流に感動した気がします。
「さらば宇宙戦艦ヤマト」、「銀河鉄道999」でも若者の心を科学技術の未来や命の尊さ、希望を持つことの大切さを教えてくれた気がします。
「999」が千に一つ足りない大人になる直前の青春の輝きだと知り、詩人サミュエル・ウルマンの「青春」を思い出しています。“青春とは年齢ではない。心の持ちようだ”と詠んでいますが、マンガやアニメが科学技術に先行して自由に人の思いを表現し未来の設計図を描き、命の尊さや夢を語ることの大切さを感じています。
我が社も仲間と夢を語り、広げ科学技術の明るい未来に向かってスタートアップしています。ご期待ください。

宇宙開発を支える蒲田の技術

池井戸潤の「下町ロケット」のモデルとなった大田区の中小企業集団の街・蒲田は優れた部品加工のエキスパートの街としても世界から評価されています。
アメリカの宇宙開発企業の月面探査機も蒲田の街から誕生した小型の探査ロボットで月面の気温が昼は110度、夜は-170度と過酷な環境に耐える技術も必要です。
世界の商業打ち上げ市場で戦える競争力と低コスト化や従来とは異なる燃焼方式を採用して挑む新方式のエンジンなど新しい発想や技術の集積が必要で、蒲田はそうした技術の街として注目されているのです。
宇宙産業の技術は、災害現場への応用技術として活かされますし医療や介護、教育などに活かされる役割を担っています。
当社も産業機器の開発、制作に“下街ロボット”のエキスパートとしてIT、AI時代に挑戦しています。

ヒトとロボットの協働社会へ。

1952年(昭和27)、手塚治虫のマンガ「鉄腕アトム」が始まってロボットが活躍する未来に夢を描きましたが、今やITやAIでロボットと人間は日常となってきました。
・少子高齢社会の進行で労働人口不足や無駄な作業工程を減らすロボットの活躍。
・介護や医療・福祉、サービス産業など暮らしを創造するロボット技術の発達。
・災害地や被災地で活躍するロボット。
・外出困難な人達のために遠隔操作で在宅就労を支援する分身ロボット。
・教育分野でも生徒との対話やコミュニケーション学習、個別支援学級等で働く。
・宇宙探査を支えるロボット達はその多くの技術は街工場の技術者が担っていますが、今やロボットと人間の協働は広がっています。

わが社も産業ロボットの一翼を担う企業ですが、鉄腕アトムの未来を実践する技術を研きながら次世代の科学技術に挑戦しています。
ご相談ください!

AIと共生する技術者へ。

精密機器の製造もAIの進化とともに産業構造も変化しています。

AIは実験を積み上げ人が思いもつかない結果を引き出しアイデアを提案してくれます。これまで、研究・開発は科学技術者の大きな分野を占めていましたがこれからは人間とAIが一緒になって実験をすることになり、科学技術者は新しい創造的な仕事に取り組む時間をつくることができ研究・開発は新しい体制が主流となりそうです。

これまでの研究や実験が一筋ではなく、世界情勢や経済、市場変化や文化など広い視野を大切にした技術者が必要となります。

精密部品の多くを支える蒲田の製作所も熟練技術者の高齢化に悩む産業地ですが、こうしたIT、AIの進化と共生する若い世代の参加が出来る企業としてスタートアップできると期待しています。時代の変化を成長のチャンスに結びつけてまいります。

ともにスタートアップしませんか。

昭和40年(1955年)、企業が世界市場を目標に第一次ベンチャービジネスが始まり、日本も「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称され日の出の勢いで高度成長、安定成長、景気後退と大きな変化を経験し新しい循環型社会を迎えています。2018年にはIT企業が台頭し第4次ベンチャー時代を迎え、コロナ禍の中でAI企業が参加し第5次ベンチャーとして新しい形のビジネススタイルをスタートアップしています。これまでの大企業が核になったビジネスではなく、中小企業や個人がITやAIを活用した誰でも参画できる「スタートアップ」の時代です。
人類が経験したことのないコロナ禍や自国主義が加速する時代で、新しいビジネスの変革を考え挑戦する市場創造です。
当社も創業50年から次の半世紀に向けてスタートアップに挑戦しています。科学技術の自由自在な発想で取り組む当社とともにスタートアップしませんか。